ほぼ毎年、アメリカのアリゾナ大学から集中講義が開催されます。今年は六月末に行われ、行ってきました。
アリゾナ大学は世にも珍しい工学部ならぬ光学部があり、光学の分野においては世界をリードしており、また卒業生の多くが光学の分野で活躍しております。
講義の方は、幾何光学のような初歩的な内容から、それを発展させた収差論などの中級レベルの講義、実験寄りの講義や物理学よりの講義もありました。今年は今までになかった照明光学の講義もありました。
光学設計の面白いところは、決して高度ではない数学の能力があればすぐに理解できる反面、一人前と呼ばれるに至るまではその数学を駆使しなければいけない膨大な知識と経験を必要とするところです。深く追求すればするほど新しい発見があり、先人の残したものも豊富です。光学設計そのものはやろうと思えば電卓でもできるので、教科書の問題集や昔の特許の性能を確認することができます。
昔、時代を担ったあのレンズがどう言った思想で設計されたか、自分の手で手軽に計算できるとは面白いと思いませんか。今度、初心を忘れないためにもやってみようかな。