Voigtlander 15mm F4.5 Aspherical IIIよりII。

コシナVoigtlanderより、最新のデジタルカメラに対応した、Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical IIIを発表しました。

From Cosina


このレンズ、一見今までのIIと大差無いように見えますが、何点か異なり、そこから考察ができます。

仕様は同じですが、IIの6群8枚に対し、IIIは9群11枚です。よって、IIIの方が大きく(最大径φ59.4mm→φ64.8mm、全長38.2mm→55.2m)重く(156g→247g)なります。
レンズ枚数が増えた理由は、恐らく大きな画角に対してのセンサー入射角度(CRA、Chief Ray Angle)を小さくするためだと思われます。デジタルカメラでは、半導体素子であるセンサーが、井戸みたいな立壁の中に素子が入ってます。広角レンズは広い角度の像をセンサーに入れるのですが、光を曲げれば曲げる程、収差が出やすい光学系となりますので、レンズ枚数やサイズの事を考えると、適度な入射角度で設計して全体のバランスを図ります。
当然、センサーへの入射角度が大きくなれば、半導体素子ではなく立壁に光が当たり、同じレンズでもフィルムカメラでの使用と比べてデジタルでは周辺光量比が低くなったりします。この問題を解決するためには、裏面照射型CMOSセンサーなど立壁を無くす方法と、光をより曲げてセンサーへの入射角度を浅くする方法があります。
コシナはレンズメーカーなので、後者を取った事になります。同じ光学系構成でセンサー入射角度を浅くするだけではその他の性能が落ちるので、入射角度を浅くしながら同程度の性能を得るために数枚レンズを増やしたと思います。
ワタクシもこのレンズは好きなのですが、使うとしたらフィルムとモノクロームになる可能性が高いので、今のうちにIIを買っとこうかな。
いずれ、Ultra-Wide Heliar 12mm F5.6 Aspherical IIのIII版も出るのでしょうか。
マイクロレンズによるCRA低減について

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