最近見た「Shot on iPhone 6」の広告ですが、サイトに行ってみると多くの写真が掲載されています。
スマートフォンが多いのはもちろん、AppleはFlickrで2014年の会社別写真投稿数シェアがキヤノンに次いで2位、機種別ではiPhone 5, 5s, 4, 4sがトップ4。今年はiPhone 6や6plusも含め更に増えると思います。
スマートフォンのカメラ、いや写真を撮るプロセスが何か違うのでしょうか。iOSのアプリで撮影から編集までのプロセスが同じデバイス上ででき、かつシェアまでできる事かと思います。スマートフォンに搭載されているカメラそのもののクォリティもセンサー技術や画像処理技術の発展で年々高くなっており、ソフトウェアと相まって多くの人には十分過ぎるカメラ性能なのかと思います。もはや一眼レフ等のカメラの用途は特別な効果やスマートフォンには無い画角がもたらす写真のみのような気がします(画角に関してはMoment等外付けレンズもありますが)。私等は趣味で色々なレンズを使ったり、ファインダーを覗いて撮るプロセスが好きなのでまだ使いますが、一般の方々はそうでもないかと思います。
CIPA等の統計を見ても、カメラの出荷台数は年々減っており、2014年のカメラ出荷台数も前年(2013年)比30%減少、コンパクトカメラは35%減、確実にスマートフォンの影響を感じられます。
年々カメラ出荷台数が減っていくのも、スマートフォンのカメラが年々良くなっているからだと思います。確か初代iPhoneは200万画素のカメラで、iPhone 6ともなると800万画素とF/2.2の開口もまで向上しました。よくミラーレス一眼カメラやエントリー向けの一眼レフのセールスポイントに撮影の楽しみを発見したユーザーが「コンパクトデジタルカメラのステップアップとして」選ぶ客を想定しているような印象を持ちますが、その使用者が減っていればすがる事は危険ではないでしょうか。また、「スマートフォンのカメラからのステップアップ」に足る、ソフトウェアによるスマートフォンの写真を撮る/共有する利便さ以上のサービスや機能が従来のカメラやカメラメーカーに備わっていないように感じます。カメラ内Wi-Fi機能程度では足りないと思いますし、カメラ上のソフトやUIも大きく進歩していません。今更カメラメーカーがカメラ用のOSをデザインできるとも思いませんし、Androidを実装できるとも思いません。スマートフォンの出現と進化によってが単体音楽プレーヤーをあまり見かけなくなったように、カメラもあまり見かけなくなるのでしょうか。そうなるとカメラの用途が直接ユーザーに渡るBtoCから医療やサーベイランス等の特殊用途のBtoBとなる日もあるかもしれません。
やはりスマートフォンの良さは使い方が簡単で、多機能で、十分な画質で、撮った後の楽しみ方が豊富(で容易)な事だと思います。私個人はカメラメーカーのレンズノウハウをスマートフォンの多機能と共に使うSonyのQシリーズやOlympusのAIRなどが面白いと思います。ただ、個人的にはスマートフォンとの連携には1インチ型が最適な気がしてならなく、APS-Cやマイクロフォーサーズですらちょっとセンサーサイズが大きいと思います。
もちろん、Appleもカメラのイノベーションは怠っておらず、遅かれ早かれ折り返しプリズム光学系のズームレンズ付きiPhoneが発売されると思います。
From patentlyapple.com |
これからどんどん「Shot on iPhone」の写真で素晴らしいものが多く出れば、iPhoneで同様に写真を撮ろうとする人が増えるのではないでしょうか。少なくとも、それらの写真を見て一眼レフやミラーレスカメラを買おうとする人は減るのではないかと思います。私もスマートフォンでの撮影に興味を持ってしまいました。