ミラーレス一眼の名称について。

カメラ業界で定番化した言葉で、好きではない言葉が多いです。例えば・・・
・焦点距離換算→換算しなくて良し。F/#まで換算するのはもってのほか。センサーサイズが変わると、焦点距離は変化せず、画角が変化します。画角の感覚を身につけましょう。
・フルサイズ→「フル」とはそれ以上無いと言う事です。135判(ライカ判)が最大サイズにという事になります。中判カメラは「オーバーフルカメラ」ですか。
トランスルーセントミラー→半透明というのは反射率が半分程度という意味ではなく、透明度が半分ということなので、スリガラスみたいなもの。もし真にトランスルーセントミラーがカメラ内にあると、画像がボヤボヤになります。
・フォーサーズ→横のサイズが1インチセンサーのおよそ1.33=4/3倍な事からフォー(4)サーズ(1/3)だそうですが、1インチセンサーの撮像部分はおよそ13.2×8.8mmで、1インチ=25.4mmには程遠いです。1インチは真空管を用いていた撮像管の外形の大きさです。外形1インチの撮像管のセンサー部分はもっと小さいのです。この規格は50年前のもので、現在のセンサーサイズはこれに合わせて定義しています。デジタルカメラをゼロから設計し、センサーサイズを見直してフォーサーズが最適と言う解を得たOlympus社には、この負の遺産から逸脱して欲しかったです。
・・・と挙げたらキリがないのですが、「ミラーレス」もあまり好きではない言葉です。


Panasonicのカメラで初めて使われた言葉ですが、いつの間にか定着してしまいました。私としては、せっかく新しいモノに名前を付けるのに、「何々レス」と無いもので定義するのはどうかと思いました。

通常、カメラは備わっている機能で名付けられています。一眼レフカメラはレンズを通した像が見えるから「一眼」レフです。鏡が付いていて像を反射させるから一眼「レフ」です。レンジファインダーカメラはレンジ(距離)を測距するファインダーが備わっているのでレンジファインダーカメラです。フォールディングカメラは折り畳めるから「フォールディング」カメラです。そう考えると「ミラー無しカメラ」、とは少し違和感があります。写ルンですもミラーレスですね。
ミラーボックスを排除したからミラー「レス」カメラなのだ、「ミラー必要無いカメラ」なのだ、という意見は論理は通っているかもしれませんが、後ろ向きな定義なことには間違いありません。電気自動車をガソリンレス自動車と呼ばないのと同じです。デジタルカメラをフィルムレスカメラと呼ばないのと同じです。せめて「ミラーフリー一眼カメラ」ならまだ理解可能ですが。
背面液晶とEVFの両方に対応できる名称となると、電子ビューカメラ(EVC)とかどうですか。定着しないでしょうけど。もしくは電子ファインダーカメラ(EFC)とか。誰も使わないでしょうけど。

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