Panasonicの新しいマイクロフォーサーズカメラのGH5Sですが、このカメラによってラインナップが面白く見えるのではないかと思います。
GH5
G9
GH5S
はどのように棲み分けられているのか、考えてみたら面白いですね。
動画も静止画もそつなくこなせるカメラ、静止画に特化したカメラ、動画に特化したカメラと、それぞれ意味があるのではないかと思います。
既に発売されているSonyのA7SやA7Siiと同じく、そのセンサーの分解能を低くして、各画素サイズを大きくして、光をより多く取り込む事で高感度を実現しています。
10.5Mセンサーは4K動画には十分(4Kは8M)で、その解像度のお陰で恩恵を受けている訳です。では画素数が少ないために静止画はダメか、と言われるとそうでもないような気がします。
印刷やディスプレイの解像度の限界までは大差ないどころか潰れる画素が少ないので違和感が少ない画像にもなるかもしれません。少なくともISOの感度耐性はとても良いと思います。
ところで、動画対応を優先したためにGH5Sはボディ内手ぶれ補正が排除されている訳ですが、これも動画専用機と考れば納得がいきます。
GH5は動画と静止画の双方が高いレベルのカメラです。よって一つの機種で双方まかなう感じですね。GH5Sが出たからといって陳腐化する事なく、動画が撮れつつより解像度の高いセンサーの静止画がウリです。
G9は静止画に特化したカメラです。JPGの処理も異なっており、より好ましく写真として出来上がっているのではないでしょうか。個人的に『L.モノクローム』が興味あります。(『L』ってLeicaの事ですよね・・・?)
でもRAWとなるとGH5との差が見えにくいのではないでしょうか。RAWでの画像編集方法が確立している方にはどうでしょうか。もちろん、ハイレゾモードがあるので解像度は恐ろしく高くできますね。
GH5Sは一言で言うと暗所での動画撮影に特化しています。画素数が少なく読み取りが速く、ローリングシャッターにも強いです。とは言え、静止画においても暗所に強いという長所があります。
私はこの1000万画素相当の解像度の画像に興味があります。画素数が半分だと処理方法が違いますし、元々2400万画素や5000万画素の画像を1000万画素に変換するのと、1000万画素ネイティブの画像は通常のISOでも大きく質感が異なるのではないかと思います。ひょっとしたら私が使う解像度や写真のサイズでは、これがちょうどいい可能性もありますし、画像が好みになる可能性もあると思います。
ではどれを買うべきか・・・ここまで棲み分けされていると逆に迷いにくいですね。スペックに変化が少なかったり、あるいは製品群のコンセプトがはっきりしていないと迷ってしまいますが、PanasonicのGシリーズは明確ですね。
GH5はライティングを使用できる状況での動画撮影が良く、スチルも良いです。
G9はハイレゾモードが発揮できるスチル、スタジオ用途とかが最適でしょうか。AFの機能が発揮できるスポーツ撮影とかも。動画を全く必要としない方向け。当然動画機能は弱いです。
GH5Sは暗所での動画機能が必要で、大きい静止画が必要ないのであれば、というところでしょうか。
皮肉なのは、静止画も動画もある程度やる方には旧機種のGH5が最も適切な事かもしれません。
ただし、最も凄いのはこれらのカメラがPanasonicのレンズ群に使えるという事です。制限はあるものの、Olympusのレンズも使えますね。
GH5、GH5S、G9の三機種。
撮影機のラインナップとしては明確な棲み分けがあるように感じました。