どのカメラ(またはカメラシステム)を買うべきかとよく考えます。写真の興味/スタイル/ニッチに合った適切なカメラを選ぶことについて色々な意見はあるかと思います。しかし、実際には日々出くわすであろう大多数の被写体のために、複数のシステムがあることに気付くのは非常に簡単なことです。
専門的な高機能カメラをレンタルする、とまで行きませんが、その想定も入れていいと思いますね。例えば、どうしても必要ならばPhase One 1.5憶万画素のカメラやFuji 100の1憶万画素のようなものをレンタルして、正確に写すのは理にかなっています。だって買えないもの。そして、ほとんどの場合は2400万画素で事足りるのと思います。
私の見立てでは、合理的な予算内のカメラシステムは5種類程あります。価格差は当然あり、もっとエキゾチックでエレガントな高価なカメラシステムもあるかと思います。私は優柔不断なので欲しいカメラシステムがコロコロ変わります。つまり私の気分で依存するのです。
プロの仕事ばりのカメラシステムでフルサイズのカメラばかりに目を向けるとは限らないのです。趣味の範囲内で仕事とは違うので、選び方も変わるのです。また、プロとは言えフルサイズ機一辺倒ではありません。アメリカ的な思想の『大きい事は良い事』とは限らないのです。
優先順ではないカメラシステム候補は以下の通りです。
1)Olympus EM-1 mk2もしくはPanasonic G9
上記のカメラは基本的に同じセンサーを共有しており、ほぼ同等の結果を提供するため、最終的にどちらを選択するかは問題ではありません。最終的には、最新のマイクロフォーサーズカメラで、双方のメーカーのみならず、多数のレンズ群から自由に選べます。一般的に唱えられている小さいセンサー劣悪論は気にしていません。
物理的に小さいセンサーが効いているのか、両方のカメラは大変優秀な手振れ補正機構を有しており、レンズラインナップのほとんどのプロシリーズレンズは素晴らしいと思います。レンズ設計者としては涎ものです。私の同僚は数々のレンズを試した結果、Zuiko 12-100mm f4.0 ProレンズとPanasonic G9カメラ本体を選んでいます。私の好みとしてはGH5で風景、ポートレート、ライブシアターのドキュメンテーションに使用したいです。大きなセンサーフォーマットと安価なレンズで得られる被写界深度をマイクロフォーサーズで得るには、より明るくシャープなで高価なレンズを使用する必要があります。しかし、そこまで言った上でトレードオフはあまり感じません。
G9は防滴防塵使用で天候に左右されず、堅牢で、優れたEVFを備えており、前述したように、基本的に手振れ補正がとても優秀です。また、ミラーレスカメラでのバッテリー寿命もトップに近いです。フルサイズと比較してよりコンパクトで安価な同等システムを組むことができそうです。
2)Fuji X-T3
X-T3のX-Transセンサーは素晴らしく、フィルムシミュレーションも大好きですが、富士フイルムシステムのもっとも魅力的な部分は単焦点レンズとズームレンズの選択性です。今やボディはエントリーレベルのカメラに近い価格帯ですが、静止画と動画の機能は競合他社の最高のものと同等に感じます。EVFの電子ビューファインダーは素晴らしいです。難点があるとすれば、フジノンレンズのレンズ内手ぶれ補正機能が少ない点です。ボディ内手振れ補正機はX-H1のみなので、総じて手振れ補正が得られない(もしくは非常に少ない)ということです。とは言え、望遠ズームレンズであれば50-140mm f2.8が手振れ補正が搭載されており、手振れ補正こそないですが16-55mm f2.8も素晴らしいです。最も興味があるレンズは実は16-80mm f4.0なんですが。ワイドズームレンズ、標準ズームレンズ、そして中望遠から望遠までのズームレンズを兼ね備え、更にレンズカタログに目を向けると素晴らしく小さい単焦点レンズが多数揃っています。X-T3があれば、フジノンレンズを心ゆくまで楽しめそうです。色と動画もピカイチです。最後に、X-T3の利点はフルサイズシステムと比べてフォームファクターが小さく、重量が軽いことです。
3)Nikon Z6
繰り返しになりますが、私2400万画素が数多くの用途のスイートスポットであると考えています。 Z7はほぼ5000万画素の解像度ですが、ビデオカメラとしてはZ6に軍配が上がります。Z7と比較してピクセルサイズが大きいため、Z6は低照度カメラとしても良いと思います。Z7とZ6で共通しているのは、人間工学に優れた小さくて使いやすいボディです。静止画像の機材としては申し分ないと思います。ニコンはニュートラルなカラーを長らく提供しておりますし、Zシステムでのレンズは増えるばかりか、以前のFマウントレンズも使えます。
現時点てはレンズ群やアクセサリーで見劣りするものの、キットレンズの性能が良いので我慢も一つの手と考えています。どちらのカメラでも際立った機能はありませんが、システムとしての強みは、カメラの必要な機能に対して「優」であり、超特化した機能がない反面落第点もないです。全体の機能のバランスや操作、カメラセンサーの性能が初心者またはFマウントのシステムから移行者向けに作られている印象です。これからのレンズ群(ニコン程の老舗がレンズ群を揃えないはずがありません)、見やすいEVF、そして素晴らしいハンドリングが期待できます。
4)最後に、意外かもしれませんがCanon 5D mk3 もしくは mk4
やはり歴史があるのでシステムがこなれているのが理由です。カメラとして理にかなっているフォームファクターは、多くの方の使用を得て実証済みです。成功と信頼の長い歴史を持つカメラのタイプを使用することに対してリスクは極小です。
レンズにしても、24-105mm Lシリーズズームレンズ、および70-200mm Lシリーズズームレンズ。これで十分なような気がするので、投資も計画しやすいです。とは言え、50mm f1.4レンズは個人的に外せません。
ここまで言っておいてなんですが、本当はライカが欲しいんですよね。