吉村和敏氏の写真集。久しぶりに手に取り見てしまいました。
この写真集は春から冬へと移り変わりながら、北米、北欧、西欧、東欧の地域を多く含む写真が掲載されていますが、どこか一体感があります。たくさんの地域の写真がありながらも統一感を感じますが、逆に同じ場所の写真に対してもどこか違う空気を感じさせる良いさじ加減です。
その傾向を最も目を引く部分は見開きです。例えば、フランスとスイスの異なる場所の写真を見開きとして印刷しているのですが、そこが不思議とブレンドしていって一枚の写真に見えます。また、同じ町の似たような場所の異なるカットをひとつの見開きに印刷しているので、違うような同じのような不思議な雰囲気があります。そういった見開きに注意を注いでいると、ひとつの場所のひとつのカットの見開きもあったりして、横長によく見る通常の見開きもいつもと違うように見えるので不思議です。
写真を撮るのが好きですが、自分が到底撮れない写真を見るのも好きです。何らかの形で自分の写真にも影響を与えていると思いたいものですね。