From Carl Zeiss |
このレンズの断面図を見ると、とても贅沢な硝材を使っているのがわかります。
レンズに入射する0度の光束は集光して円錐のようにセンサーに到達する訳ですが、集光するために単純に凸レンズを用いると、波長による屈折率の差から焦点が各色で若干異なります。これが軸上色収差です。
このOtusレンズはアポレンズです。軸上色収差が限りなく補正されています。前から3枚のレンズが全て異常分散ガラスな上に、軸上色収差の補正に有利な第1レンズが負レンズです。屈折の違いから起こるプラスの軸上色収差(波長の短い色が手前のレンズ側に集光し、波長の長い色が奥のセンサー側に集光する)を、負のレンズでマイナスの軸上色収差生じさせ、全体を補正しています。大凡はこのような設計コンセプトだと思います。
そう言えば、新しいCarl Zeiss Distagon 1.4/35 ZMも前面は負レンズですし、ライカのSummilux M f1.4/35mm ASPH.とAPO Summicron M f2/50mm ASPH.も前面は負レンズですね。もうひとつのOtus 1.4/55も同様です。