新しいiPad Proが発表されました。
子供の頃、欲しいモノがあるとひたすらそのモノの絵を描いたり、そのモノについての特徴をメモに書いたりして、買えない現実を誤魔化していました。それは大人になった今でも変わりません。
iPad ProのCPU性能
iPad Proは未来からのパソコンみたいです。SF映画などでディスプレイの板を持ち歩いていたりしますが、それが現実にあるのです。多くのパソコンはムーアの法則から外れて[link TK] 年々の大幅な速度アップはありませんし、ポータブル機はファンが必要だったりします。その点、iPad Proや他のiPadは、ムーアの法則にいまだに従い大幅な速度アップがありながら、ファンレスで動いています。
iOSのCPU/GPUのA系列チップはAppleで設計されていますが、iPhoneやiPadの性能アップはいつも驚かされます。iPad Proを買う時にCPUのパフォーマンスが第一ではないのですが、このiPad ProのCPU性能は物凄く高いです。今までのCPUですら、1ポートの12インチのRetinaディスプレイMacBookよりも圧倒的に速く、シングルコアで測ればMacBook Proに迫るCPU性能でした。
それが新しいiPad ProのA12Xチップだと、シングルコア及びマルチコアの性能でも最も高性能なMacBook Proよりも速いです。
以下、GeekBench 4の性能比較です:
シングル | マルチ | Compute | |
---|---|---|---|
2018 iPad Pro 11inch (A12X) | 5,007 | 18,051 | 42,574 |
2017 iPad Pro 10.5inch (A11X) | 3,894 | 9,242 | 27,349 |
iPhone XS (A12) | 4,851 | 10,534 | 21,869 |
15" MacBook Pro w/ 2.9 GHz Core i9 | 5,653 | 21,737 | 59,010 |
15インチのMacBook ProはRAMなどのベース性能で302,800円です。新しいiPad Proは89,800円です。とは言え、15インチのMacBook Proは512GBなのですが、iPad Proを同じく512GBにしたとしても、11インチで128,800円、12.9インチで150,800円です。その価格で最高性能のMacBook Proに僅かに低いだけです。ほとんどのMacBookよりも高性能なのです。
iPadを選ぶ時にCPU性能が基準になる事はないと言ったものの、こうやって数字を見てみるとどうでしょう。用途によってはiPad Proの方が処理が早いタスクがあるのではないでかと思います。例えば、新しいPhotoshopの機能や、Lightroomの写真編集とか、何かあるのではないでしょうか。
iPadの最大のウリはポータビリティですが、数値だけを見てもCPUは凄いのではないでしょうか。単価辺りのCPU性能も高いですが、消費電力辺りのCPU性能も物凄いです。
全てのタスクをiPad Proでできないかと期待してしまいます。現実に、今でも多くのタスクをiPadでしています。iPad Proの発表会で多くのノートブックパソコンよりも速いと胸を張っていましたが、事実として『ノートブック』の中にMacBookも含まれてしまうのは皮肉でしょうか。
iPadは一般的なノートブックパソコンよりも性能が低く時代でも人気がありましたが、今やハイスペックなノートブックよりも性能が高いのです。
Apple Pencil 2.0
新しいApple Pencilは凄いです。初代も良かったですがこの二代目は特にデザインがいいです。デザインとは、見た目の造形だけではなく、使い方も含まれます。
見た目や質感は今回のがいいですね。私はマットな質感が好きです。ツルっとした初代も良かったのですが、個人的にはマットが好きです。自分で目の当たりにするまでマットの方が好きだと気付かなかったのですが。
造形で言うとキャップが無くなったのもいいですね。初代はチャージするのにiPad本体に刺さなくてはいけなかったのでキャップがあったのだと思いますが、このキャップを無くした人が何人いた事か・・・。
マグネットでの充電が好ましいです。iPad ProがLightningからUSB-C変わったのでApple Pencilも端子が変わると予測していたのですが、このマグネットチャージの方が圧倒的に良いですね。チャージだけではなく、手に持っていない時にApple Pencilを添えられるところがあるわけです。このような機能的なデザイン性が本当に良いと思う歳になってしまいました。エレガントです。
フラット面があるのも機能的デザインです。マグネットの設置面でもありますが、テーブルの上などに置いた時の転がり防止にもなります。多くの鉛筆やペンがフラット面を持っていたり、クリップが付いている理由がこれです。
個人的には刻印も気になります。自分の名前はもちろん、人にプレゼントする時もその人の名前を刻印できれば良いですね。また、私はあまり遭遇しませんが、周りの人が何人もApple Pencilを持っていると自分のがすぐにわかる機能的デザインでもあります。
ダブルタップで消しゴムになります。些細な事のようで、作業が楽になるので大きいと思います。
ここまで良い製品のApple Pencilですが、今後のアップデートとしてHaptic Feedbackが加われば良いと思います。トラックパッドやiPhoneのスクリーン程のものでなくとも、ダブルタップの時にフィードバックがあれば良いと思います。
新しいApple Pencilがマグネット方式になったのでiPhoneとの併用は不可だと感じました。Lightningの時はまだ可能性があったと思いますが、Apple Pencilがマグネット方式だとiPhoneにマグネットが必要になります。でもiPhoneの丸い側面には付かないので、裏に付ける必要があります(まさかディスプレイ面に付ける訳にはいきませんからね)。でもマグネットをiPhone内に入れられるのでしょうか?また、ケースを通してくっつくだけでなく、チャージもしなければいけないので、なかなか難しいのではないでしょうかね。
iPad Proのサイズと外観
Appleはあまり決定事項を説明しませんが、説明がある時は明確です。少なくともサイズに関しては、11インチのiPad Proは以前の10.5インチと同じサイズでありながら、ベゼルが小さくなったためにディスプレイが大きくなっています。対して、12.9インチのiPad Proは以前の12.9インチと同じディスプレイのサイズですが、筐体の大きさが以前と比べて一回り小さくなっています。
少なくとも11インチに関しては、10.5インチと同じディスプレイで小さい筐体にするとキーボードがフルサイズのキーボードにならないので、筐体サイズを同じくらいにしてキーボードカバーがフルサイズキーボードになるようにサイズのデザインをしています。対して、12インチは大幅に小さく軽くなった印象です。私は日常的にiPad Airを使っているのですが、10.5インチはいつも使っているiPad Airとそう変わらない大きさでより大きいディスプレイのデバイスになりますね。反面、以前までは12.9インチのiPad Proはどうも大きく感じていたので今までは敬遠していましたが、ここまでコンパクトかつ軽くなれば一気に対象に入ります。
Apple Store等で実際に試してみないと何とも言えないですけどね。でも多くの方は12.9インチを購入するのではないでしょうか。昔、11インチと13インチのMacBook Airがありましたが、今は13インチだけですもんね。iPad Proがどれだけメイン機になるかで、サイズの選択が決まると思います。MacBook等がメインマシンの場合は11インチ、メインでiPad Proを使う方は12.9インチという図式が見えてきます。
エッジがフラットなデザインが大好きです。iPhone 4や4S、iPhone 5や5Sよりも好きです。コーナーだけが丸みを帯びており、上下のベゼルは極薄。iPhone X系列の『ノッチ』もありません。iPhoneもこのデザインになればいいと思うのは私だけでしょうか。
個人的にはホームボタンではなくタップ方式でのスリープ解除は慣れないといけないかもしれません。ただし、今までのiPadはランドスケープモードではホームボタンは横にあり、なんだか操作に違和感があったかもしれません。加えて、最新のiOSではホームボタン依存性が少なくなり、iPhone X系列と同じ上スワイプ動作に慣れたので、違和感は少ないかもしれません(今まではホームボタンのダブルクリックだった)。そういう意味ではiPad Proのホームボタンが無くなるのは容易に想像できたかもしれませんね。
カメラとFace ID
以前からiPadのカメラはiPhoneのカメラと同じものを使っていました。しかし、そのカメラモジュールは大概1~2世代前のカメラだった事が多く、カメラの性能は時代時代においてiPhoneには見劣りしていました。それもそのハズで、iPadをメインの写真機として使う方は少なく、使う方々もそれ程カメラの性能のうるさいような人ではありませんからね(失礼)。しかしこのiPad Proは独自のリアカメラです。仕様を眺めていると、他のデバイスと全く一致している項目がないためです。そうであれは今までのiPad Proよりは良い性能のカメラかもしれませんね。(ポートレイトモードはできませんが)
対して、フロントカメラはiPhone XS及びiPhone XRと同じカメラです。こちらのカメラではポートレイトモードは可能です。Face IDに期待しています。縦向きで使う事が多いiPhoneと比べて、横向きが標準でもいいiPad Proに対して、どうなるか見ものです。また、寝転がった状態での反応も気になります。
写真機と一緒に使うiPadとして
LightningからUSB-Cの搭載によってiPad Proが写真と動画を扱うのに格段に楽になり、かつAppleからの推奨すら得たような感じです。USB-Cにより、ケーブルでカメラと接続したり、SDカードから高速に画像動画のファイルを転送する事ができます。多くのカメラもUSB-Cを搭載しているので、シームレスに使えるはずです。
iPad Proによる高速転送はもちろん、iPad Proでの写真共有、iCloudへのアップロード等が全て楽になるような気がします。更にカメラの写真をiPad Proの美しいディスプレイで見せる事も可能です。
iPad Pro上で写真編集も、A12Xチップによってパワーを得ました。写真旅行先等で、バッグには大きな一眼レフの変わりに軽量なミラーレスカメラ、重いパソコンの変わりにiPad Proとなったら、荷物の大幅な軽量化が可能なのではないでしょうか。
Austin Mann – The New iPad Pro for Photographers
その他
スピーカーに期待しています。結構iPadで動画を観ているので。音量だけではなくステレオとか音質にも期待しています。
いつもサードパーティー製のカバーやキーボードを使っていましたが、このSmart Keyboard Folioはいいですね。強度が増しており、角度が二つに拡張され、いい感じです。ただし、折角のiPad Proの薄さを損ねるような気がしています。そして、たまに縦置きで書いたりしたくなるんですよね・・・。
USB-C – Lightningケーブルを使えばiPhoneを充電できるそうです。Mac同様iPhoneのモバイルバッテリーになるので、iPadとしての機能拡大です。iPad Pro付属の18W USB-C電源アダプタとUSB-C充電ケーブル及びUSB-C – Lightningケーブルがあれば、最小限でiPhone、iPad Pro、そしてMacの充電が可能です。
まとめ
iPad Proは今までのiPadよりも高価です。Apple Pencil、Smart Keyboard Folioを加えてストレージを加えたら12万円超えです。とは言え、CPUコストパフォーマンスはMacBookよりも高いです。そう考えると安価とも言えるかもしれません。
欲しい。