iPhone XRの販売推移について考える。

iPhone XRが発売されました。

iPhone XSやXS Maxと比べて売れるのか、売れないのか、ちょっと考えてみました。

iPhone XRは売れていないのでしょうか。売れているのでしょうか。
アジアのサプライヤーの調達削減はアテにならないでしょう。とある部品の注文が減ったからと言って、その部品が使われている製品の生産が低いとは限りませんよね。その部品の質や、競合他社の部品の生産率が高かったりするとか、理由は幾らでも考えられます。
去年もiPhone Xの部品調達の削減とかで売れ行きが怪しいとか聞きましたが、恐らくデマでしょう。その前のiPhone 6Sの時はわかりませんが。
もちろん、部品調達の増減はもっと長いスパンでの考えも反映されているとするとなると、今販売中の製品ですらないかもしれません。
とにかく、iPhone XRの販売台数が低いとすると、何点か考えられます。コストパフォーマンスが一番有力ですが、iPhone XRのコストパフォーマンスは著し良いです。
ディスプレイはエッジまであり、FaceIDがあり、性能は同じであり、広角カメラが同じであり、そしてバッテリーはXRの方が良いです。
iPhone XSと比較して、満たしていないパフォーマンスと言えば、有機ELディスプレイ、テレフォトカメラ、
コストパフォーマンスの『パフォーマンス』面を見れば、iPhone XRのパフォーマンスが高いのは明白ですが、それは仕様が良くわかっている人間の意見です。
iPhone XRの性能の良さを知らずして購入対象になるかと言うと、iPhone XSと比べてパフォーマンスが低いからではなくて、iPhone XSと比較してパフォーマンスが高過ぎる、ひいては似過ぎているからと言う事も考えられるのではないでしょうか。
つまり、iPhone X系列のスマートフォンは今までのiPhoneと比較してあまりにも変化があったため、その変化に戸惑う人も多いかと思います。ホームボタンが無いのと、ホームボタンが無くなった事によるジェスチャーの変化、Touch IDの代わりにFace ID、などなど、たくさん挙げられます。私みたいに仕様を舐めまわすような人ではなければ、iPhone XRは単に『今までと大きく違うiPhone』と映るだけかもしれません。
スマートフォンの仕様に限らず、変化を好まない方はたくさんいると思います。
去年ならば、iPhone XとiPhone 8という選択肢があったため、新しいスマートフォンかインターフェイスが今まで通りのiPhoneの双方が選べました。今年に新しいiPhoneの購入を考えている人は新しいインターフェイスしか選択がありません。iPhone XS、XS Max、XRは共に同じ新しいインターフェイスです。
今までのiPhoneの変遷では大きな技術的進歩が大きなインターフェイス変化に伴う事は少なかったです。iPhone 4で発表されたRetinaディスプレイは使い方の変化を求めませんでした。iPhone 5SのTouch IDが追加された際には、パスワードが廃止された訳ではありませんでした。Touch IDの使用感が気になる方はそのままパスワードを使えば良く、そのままiPhone 5Sを購入できました。今回のアップデートでは、長年慣れ親しんだホームボタンと決別し、セキュリティをFace IDに委ねなければ、新しいiPhoneを使えない(もとい、買えない)方がたくさんいるのかもしれません。
私にはX系列のiPhoneが性能が高く、未来のスマートフォンに見えますが、変化が嫌いな方には異質に見えるだけかもしれません。異質ならまだいいです。嫌悪感を抱いてiPhone XRが売れなかったらAppleはどうするのでしょうか。
Apple Storeとかで試すような人は、数分間いじるだけなので、X系列に違和感を覚えるだけかもしれません。
そう言えばiPhone SEは発売間もなくはたくさん売れていましたね。iPhone SEはiPhone 6やiPhone 6Sと比べて旧タイプのデザインで、私は小さいから多くの方々が購入するのかと思っていました。小さい携帯電話を好む人はたくさんいます(私もその一人です)。小ささも理由の一つなのでしょうが、ひょっとしたらiPhone 6のデザインチェンジに違和感を覚えていた方々がiPhone SEの方が馴染みが良かったのかもしれません。もちろん、iPhone SEの方が安価だったのも影響していると思いますが、それだけではないような気もします。
そう考えるとiPhone 5S → iPhone 6の変化よりもiPhone 7/8 → iPhone X系列の方の変化が圧倒的に大きいです。
変化に対応する事は大事です。Blackberryなんかは長らく変化に対応せず、それで良かった時代もありましたが、最終的にはスマートフォンに追いやられました。少なくとも短期的には、変化はユーザーに不安を与える可能性があります。もしiPhone XRの販売台数が伸びなければ、一部の理由はiPhone X系列の良さに気づかない、もしくは気づく間もない方々が購入をためらうからかもしれません。
無理に変化を促す事はできませんもんね。時間がかかるものです。

タイトルとURLをコピーしました