Leicaの新しいカメラが発表されました。Leica Qです。
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基本的な特徴は、以下だと考えます:
・ライカ判135mmセンサー(フルサイズセンサー)
・28mm F1.7 固定レンズ(レンズ絞り、マニュアルフォーカス付き)
・EVF内蔵
・手振れ補正
・動画機能
・LCDがタッチスクリーン
・シンプルな外観
・ドイツ製
こんなところでしょうか。
今までにない、新しいカメラと感じましたが、その根拠はあります。
まず、ライカ判(フルサイズという表現がキライ)のセンサーで、レンズ固定とはいえEVF内蔵のカメラと言うと他にSonyのα7系列しか思い付きません。Sony RX1は外付けEVFですし、富士フイルムX100系列はAPS-Cサイズです。少なくとも、Leica X系列とは一線を画す仕様です。X1、X2、X Vario、X typ113など、全て外付けEVFが必要でした。Leica Tも然りです。また、機種によってはAFが遅かったりと、Candid Photographyにストレス無く使用できないところがあったのではないでしょうか。
まずレンズですが、28mm Summilux f/1.7です。絞りが前にあるのがライカスタイル。レンズの設計や製作においてライカに文句はつけられません。F値が暗かったX Varioのレンズですら、とてもシャープで定評がありました。
私が期待するところはマニュアルフォーカスで、フォーカスタブが付いているので、無限ロックが付くかもしれません。通常の電子対応のマニュアルフォーカスは、無限距離に至ってもフォーカスリングがクルクル回る機構が主流です。電子的なフォーカス機構でも、このようにあたかもマニュアルにすることで使い勝手は向上すると思います。ライカにしても、他のマニュアルフォーカスレンズにしても、使い込んでいくうちにフォーカスタブの位置でピント位置がわかるようになります。例えば、「フォーカスタブが4時の位置で何々メートル」といった具合です。
あと、フォーカスに関しては、マクロモードの切り替えには、レンズ根元のMACROと書かれたリングを回転させます。また、AFはタッチスクリーンでもできます。ライカにしてはかなり先進的な機能です。
レンズの焦点距離、28mmについては最初に見た時に首を傾げてしまいました。固定レンズでライカファンの心を掴むには35mmが妥当だと思っていました。ひょっとすると技術的に28mmが良かったのかもしれません。レンズが長くなるのを防ぐためか、センサーへの入射角度の制御のためか、はたまた技術的ではなくCandid Photoは28mmの固定レンズが最適と企画の段階で決まったか。個人的には長年Ricoh GRを使っていることから全く違和感なく使えます。35mmと50mmのクロップモードもそのまま違和感なく使えます。いかなる焦点距離でも、センサーに最適設計されたこのレンズの性能は間違いなく高いはずです。
手振れ補正はライカの使い勝手を向上させるでしょう。2段分の補正があれば凄いと思います。ただし、このカメラはレンズも明るくISO感度もライカ判で高いのでどこまで恩恵を感じられるかといったところです。
私はレンズが好きなのでついついレンズに目が行ってしまいますが、EVFも期待できそうです。368万画素のLCOSディスプレイは大きくて見やすそうです。フォーカスタブが付いていることでマニュアルフォーカスに力を入れていると思いますから、このEVFも見やすくないと意味がありません。
ボディはライカの製品らしく洗練されていますが、私の目に止まったのは裏側です。
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右上に円柱の一部のような凹みがあります。ここに親指を置いてホールディンが良くなると踏んでいます。また、外観としては大きさも目に付きます。Leica Qは決して小さいカメラではなく、サイズ感は130mm×80mm×93mmとM9等のデジタルライカMよりは一回り小さいかもしれません。しかし、往年のLeica M3はボディのみで138mm×77mm×33.5mmですのでほぼ同じ大きさです。そして重量もLeica M3のボディのみ(590gくらい)と同等です。これでサイズもどのくらいかわかり、ホールディングも想像できます。この大きさによって電池V-LUX4など同社の大きいカメラと共通にでき、長持ちするのではないかと期待ができます。
アクセサリーに関してはやはりM9 Titaniumと同じくハンドグリップとホルスターケースがたまらなくカッコいいです。
過度な期待かもしれませんが、他のカメラトレンドを見てみると、富士フィルムがまずX100シリーズを発売し、これがとてもよく売れたのでその後の開発ができ、X-pro/X-Eシリーズ、X10シリーズ、XTシリーズが発売されました。Sonyもライカ判で限ればRX1から始まり、A7、A7R、A7S、A7ii、A7Riiと次々発売されました。では、Leica Qはその後、この規格でMマウントもしくはQマウントが発売されるのでしょうか。Mシリーズを喰ってしまうかもしれませんので技術的にではなく他に障壁があるかもしれませんが、夢なら見ることができます。
もしくは、Qシリーズは全てレンズ固定式にして、50mm、35mm、21mm、75mm(85mm)の順に増えていったらとても面白いと思います(最後の二つはないでしょうが)。最低でも富士フィルムのX100シリーズのように、35mmに28mm/50mmアダプターがあるので、同じように21mm/35mmとか有り得るのでしょうか。夢は膨らむばかりです。
値段が60万円・・・悩むな~。