東北観光。

この夏休み(三日ほどしか取らなかったが)札幌で親孝行(親不孝?)をしてから秋田県に向かうことを決めていた。話せばややこしく長くい上にそれほど面白くも無い話なのだが、友達が秋田にいるのでちょっと遊びに行こう、と思ったわけで・・・。
実はこいつはセルジというカナダ人で今回は長期に渡る日本生活だそうだ。
彼とはカナダ時代(厳密に言うと修士時代、Kingston時代)の友達で、関学に一度交換留学生として学んでいたことから同じ日本人クラブで知り合ったのだ。今回は留学ではなくちゃんと中学の英語教師としての来日で、N●VAやらジ○スとはレベルの違う、日本国が彼の実力を認めた上での来日である。
とまぁ案の定つまらなく長い話になってしまったが、とにかく人生で初めて東北に行くことを前々からセルジと相談していた。まず最初に札幌に行ってしばらく東京の猛暑から抜け出し、涼んでから東北に向かう。東北も涼しいのであろうが。
そこで秋田まで行くにはいくつかの手段があることに気づく。
~@札幌~函館~青森~盛岡~秋田
バス、フェリー、列車を利用したルート。これだと16時間かかる上に連絡が悪く、何時間も待ち合わせをすることになる。2万円弱。
~A札幌~函館~青森~秋田
これは上と同様だが、東回りに南下して西に行くのではなく、西側(日本海側)で行く。所有時間と旅費は上と変わらず。むしろ微妙に悪かったりする。
~B札幌~函館~秋田
函館かどうかは覚えてないけど、とにかく北海道の南の方まで行き、そこから直接フェリーで秋田県へ。無論、日本海付近にいるため、秋田市までバスが列車が必要。これも連絡がうまくいかない。
~C札幌~盛岡~秋田
寝台特急で盛岡まで行き、そこから列車で秋田まで。盛岡の始発前に着くが、待ち時間が45分ほど。乗換えが面倒なのでこれにする。
直前まで下調べが甘く、自身の油断もあったのだろうが、札幌から秋田まで行くのはすげーめんどくせー。札幌の駅まで母と食事がてら行き、ドライな別れをした後に寝台特急に乗る。
せ・・・切ねぇ・・・
オレが細身で16○cmだからいいものの、アンドレ・ザ・ジャイアントだったらどうするんだろ。それより朝四時に盛岡に着くため(そして翌日は絶対に夜中までセルジと遊ぶため)、少しでも睡眠を取らねば、と思い床に着くが興奮して眠れず、函館到着にも気づき(夜11時)、夜中だと気づいても全く面白くない青函トンネル突入の瞬間まで起きていた(この時夜中の12時半)。
そして同様に青函トンネル脱出の瞬間も。結局、睡眠時間がゼロのまま盛岡に到着。この頃からちょびっと頭痛を覚える。
しかし盛岡から秋田県横手市まで更に二時間ほどかかる。ちょっと眠ろうかなー、なんて思っていた矢先、六時半頃に学生がぞろぞろ入ってくる。
そういえば今日は木曜日だった・・・平日じゃん。
明らかにこの場にはふさわしくない人間がいることにほぼ全員(20人以上)が気づき、横手に着くまでついにオレの隣に座る人はいなかった・・・。
そもそもオレは茶髪にピアス、サングラスと安いがちょびっと正装チックジャケットと襟シャツを着てた。ズボンも少しテカリのありものだったりして、それはとてもガラの悪い格好をしていたのだが。
みんなの視線がそろそろ無くなって来た矢先に、セルジから「ちょっと遅れるから駅で待っててくれ」との電話があった。
当然ながらこのやり取りは英語である。一度は落ち着いた視線がまた一気にオレの方に向く。まるで「こいつは何者だ」という声が今にも聞こえそうで生きた心地が無かった。
「今どこにいるの?大曲?じゃあ10分くらい待つことになるかな」とか「ごめんねぇ、昨日の仕事が長引いちゃってさ。そもそも来期の準備ってさ・・・」などと怒涛のように質問を続けるセルジ。
そんなことはどうでもいいから早く電話を切やがれ。
下りる時に中学生数十人の視線を引きずりながら電車のドアへ向かうと、ドア付近にいた生徒達がこぞって引いて行く。しばしモーゼの気分を味わってから駅で陽気なカナダ人を待つ。
約束通り10分ほどで来た彼との久しぶりの会話は、
「ここには外国人が少ないから俺は目立っちゃうのよ。しかしオマエはいいよなぁ、日本人だから目立たなくて」
もう旅の疲れで反論する気も無くなっていた。

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