ついにHomePodが日本での発売となりました。室内ボイスアシスタントとしては後発の機種ですが、値段がプレミアムなのに理由があります。
HomePodはただのWi-Fiに繋がったマイクではありません。HomeKitとSiriで活用な幅が広がっています。
他のボイスアシスタントと比べてしまいがちですが、数千円のデバイスと比べてはいけません。AmazonのAlexaのシェアと比べて圧倒的に低いですが、ボイスアシスタント機能だけで言えば15億台はあるというSiri対応のiOSデバイスでいいではないかと意見もあるかと思います。
それだけで、対象が単なるWi-Fiマイクではない事がわかります。HomePodは高品質のスピーカーと、HomeKitの拡張と、ハンズフリーのSiriデバイスでもあります。HomePodは2014年に買収したBeats Electronicsの産物でもあると考えられます。ステレオサウンドがiPhone 7、iPads、およびMacBookに加わったのもこの買収で技術を取り入れたからです。AirPodsも忘れてはいけませんね。W1チップ、Wi-Fi機能、iCloudとの接続性が可能となりました。
そこからHomePodが発売されましたが、ハイエンドのオーディオデバイスとして作られました。他のデバイスみたいに常に会話を聞いていたり、広告のためにローケーションやその他のデータの収集を常にするためのデバイスではありません。
プライバシーについて明確なスタンスを持っているAppleだからこそ、家に置くデバイスとして安心して導入できる部分も少なからずあると思います。Amazonはお買い物のためのターゲットのためにビッグデータをAWS(自社サーバ)に格納し、Googleは広告を生業としています。これらのデバイスは安価である代わりに、情報を得ているわけです。住宅展示場でお土産をいっぱい持って帰れますが、アンケートや連絡先、家族構成という情報のためなら安いものみたいです。
とにかく、AppleのSiri機能のごく一端のHomePodとAmazon Alexaの範囲を比べる事がナンセンスかもしれません。
アジアのマーケットサイズが大きいAppleは、先の中国と今回の台湾と日本での販売での売り上げが上がるのではないでしょうか。共産主義の関係か、AmazonとGoogleは中国であまりシェアがないそうです。
Appleの強みは製品の統合です。ハードウェア側ではiPhone、iPad、Macはもちろん、新鋭のApple WatchやAirPodsも他のデバイスとシームレスに使えます。ソフトウェアはiMessage、iCloud、AirDrop、Apple Pay、最近のApple Card、そして数多のアプリやサービスも然りです。今年はApple Arcade、Apple TV+、AirPlay 2もより統合を高めます。それを考えると単にマーケットシェアを得るためにHomePodを使っている訳ではありません。
HomePodはSiriでつながったHomeKitや、AirPlay 2とApple Musicのプレイバックに使えます。Siri自体完璧ではありませんが、機能としては統合の方向です。
実はHomePodは去年の時点で400万台売れており、約1.5億円のビジネスです。とは言えHomePod自体が売れる事以上に、より広い範囲で統合できるのです。MacやAppleTVとの連携も可能です。そう考えると、単体で価値を見出さなければいけない他のWi-Fiマイクと比べて、価値が高いのです。
9月には新しいiPhoneが発売され、新しいHomePodの発表もあるかもしれません。Apple WatchやiPadにしてもそのような発展をしてきたので可能性は十分ありそうです。
AlexaやGoogle Homeよりは欲しいデバイスですね。