雪は七変化。荒れ狂う吹雪は冬将軍かと思えばしんしんと、全ての音を包みこむようにも降り、優しく人も大地も抱きとめてくれる雪女。ふりつもる雪野原は妖しげな誘い。惹かれて踏み出したが最期、どこへ連れていかれるのか・・・
美しい雪も、一度抱きとめると非常にわがままきまま。雪はねは重い。溶ければドロドロ、凍ればつるつる、振り回されてばっかり・・・
春、雪の国へと帰っていく彼女は、北の大地にたくさんの恵みの水を残していく。川をつたって、田畑を潤し、生活を潤し実りを振りまいていく。
どんなに振り回されても、どんなに辛くあたられても、夏のせせらぎには彼女の面影が見えて来る。