大人の魅力が漂うチェキのinstax mini 90 ネオクラシック。簡単に言えばインスタントカメラ、ポラロイドカメラです。写真を撮ると、フィルムがカメラから出てきて、しばらくすると写真が浮き出てきます。
昔のロールフィルムは、全て撮影し、ロール全体を現像しないと写真が見れませんでした。そのフィルムよりは早いとはいえ、スマートフォンで写真を撮れば液晶画面上にすぐに『写真』が見られる今の時代になぜ売れているのでしょうか。
チェキの販売台数は今やコンパクトデジタルカメラより多いそうです。スマートフォンによってコンパクトデジタルカメラの販売が大幅に失速したとはいえ、凄いことです。
コンパクトデジタルカメラを超えているということは、普通の一眼レフやミラーレスのレンズ交換式カメラの販売台数をも超えているということです。レンズ交換式カメラで言えばミラーレスと一眼レフの合計よりも売れています。富士フィルムは2016年に500万台売るため、10億円を投資して取り組むそうでかなり力を入れています。
今やフィルムカメラを作るメーカーは限られており、フィルムそのものにしても、インスタントカメラやポラロイドにしてもほとんど競合会社がいない状態です。その大きな理由にハード(カメラ)とソフト(インスタントフィルム)の両方の技術が高いレベルにあるので、一貫製品が作れるのが富士フィルムの強さです。競合がいると価格競争に陥りやすいので、マーケットを牛耳れると儲かると思います。とはいえ、スマホでチェキというのもあるので、スマートフォンで撮った写真を手軽にプリントしてポラロイド的に人に渡せる、面白い製品もあります。
では誰に売れているのでしょうか。どうやら若い世代、取り分け一昔前にプリクラを普及させた女子高生に人気のようです。やはりプリントされ、手に取れる写真の良さが原因と信じたいです。私も最近結婚式に出席した時にメッセージ用にチェキが使われていたのを思い出します。物理的に写真が手元に残るということは、何年後でもそのままオリジナルが残っている事であり、新鮮なのではないでしょうか。一般的なデジタル写真は現像作業がないので(RAW現像はありますが)、撮ったままで一度も見返すことなくスマートフォンに眠ったままになる事がほとんどなのではないでしょうか。写真の枚数に限りがある事も、熟慮して写真を撮る楽しみにつながります。無作為に写真を撮っても心に残る写真が撮れない事があると思います。不思議ですね。
スマートフォンのハッキングでアメリカの有名芸能人の写真が流出した事もありますが、自分の写真がいつの間にか流出してしまう恐れそのものよりも、インターネット上でそれらの予防方法がよくわからない方に取ってはフィルムカメラが魅力的かもしれません。
カメラにしても、写ルンですのように洗練されたシンプルさとその佇まいからは想像できないイノベーションが詰まっております。フィルムの感度は800です。この新しいinstax mini 90シリーズでは撮影方法もバルブモードや二重露光モードなど、かなり多彩な写真を撮れる写真機となっています。
ACROS的なモノクロフィルムがinstax用に出てくれば、私にとって魅力倍増です。富士フィルムさん、いかがでしょうか。