光学責任者が語る“ライカレンズの美学”。

ライカレンズの魅力を探るDCWatchの連載に、レンズ開発責任者のピーター・カルベ氏のインタビューが掲載されています。


レンズ設計の思想と、マックス・ベレク氏から100年近く受け継げられているノウハウを垣間見る事ができます。

ライカのレンズの進化は大きく4つの世代に分けられます。第1世代はスクリューマウント(M型以前の、いわゆるバルナックライカ)時代のレンズです。第2世代は1954年に登場したMマウントレンズ。この世代のレンズは画面中心は高い性能を持っていましたが、周辺は性能が落ちるので、当時のレンズはある程度絞り込まなければ画面周辺部まで整った性能が出ませんでした。
しかし、第3世代になると非球面レンズを積極的に使うことで、画面中心から周辺まで高い性能を確保できるようになりました。そして第4世代ではフローティングエレメントを採用しています。特に大口径レンズは撮影距離によって性能が変わりやすいのですが、フローティングエレメントを入れることで、至近でも無限でも性能を発揮できるようになります。ただ、ライカMレンズのようなマニュアル操作のレンズにフローティング機構を入れるのは、メカ的に複雑になるので、そこが技術的なチャレンジになります。

レンズ設計は収差を抑制する事が全てですが、サイズ、コスト等の制約によって、収差をコントロールする事が重要です。ベレク氏は当然それらの収差のコントロールがよくわかっていたので、最初期のエルマー等の素晴らしいレンズがあるわけです。
今でもライカのMレンズは小さいながらも高性能なものが多く、その思想が受け継げられているのがわかりますね。
光学責任者が語る“ライカレンズの美学” – 高性能でも小型に。キレイなボケ味の理論とは?
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/leica/20160331_749398.html

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