フォクトレンダーのレンズが3本、開発発表されました。

コシナから、Sony Eマウント用のレンズを発表しました。

Macro Apo-Lanthar 65mm F2

どれも一癖ある、私が大好物なレンズです。

まず、NOKTON classic 35mm F1.4 E-mount。これは以前、フィルムのレンジファインダーカメラ(R2AやR3Mなど)を販売していた時に、ライカのMマウントにも対応するVMマウントがありました。このレンズはその「NOKTON classic 35mm F1.4」をベースに、Eマウントカメラのデジタル撮像素子に最適化させた光学設計とのことです。あのフィルム用のレンズは収差をわざと残し、開放では収差の滲みが出るように設計され、絞り込むと収差が取れて解像度が増す、という設計思想でした。性能の悪いレンズをわざわざ作らせるために、社長が自ら中心厚やレンズ枚数などの制約を与えて収差を取り切れないという逸話があるくらいです(雑誌で読みました)。昔のレンズは作製上の制約から収差の残されたレンズが多かったのですが、その収差の残し方がとてもバランスが取れているためにただの性能の悪いレンズではありませんでした。いわゆる「味のあるレンズ」と呼ばれるものです。現代のコンピューターから設計されるほぼ無収差のレンズにはない、どこか湧き水のような味わいのあるレンズを期待してしまいます。
次に、Macro Apo-Lanthar 65mm F2 Aspherical E-mount。マクロレンズとしてとても明るいF2です。私は遠景で性能の良いマクロレンズを常用レンズとするのが好きで、昔はLeicaの一眼レフ用のMACRO-ELMARIT-R 60mm f/2.8、今ならばOlympusのM.ZUIKO 30mm F3.5 Macroが欲しいです。この焦点距離のマクロレンズは性能が高く、持ち運びが手軽で、多くの撮影シーンで使えるので汎用性が高いです。そして、多少のFナンバーの暗さは、最新のデジタルカメラのISO感度で十分カバーできます。
そして、NOKTON 40mm F1.2 Aspherical E-mount。私はこの焦点距離が大好物です。50mmは少し窮屈に感じる。35mmは広く感じる。そんな人(ワタクシ)にぴったりの焦点距離。実に「標準」と呼べる焦点距離だと思います。昔の中判フィルムのスクエアフォーマットに相当する80mmの焦点距離と同等です。また、ライカ判(フルサイズ)は36mm×24mmのため、対角の距離は約43mmで、40mmがちょうど標準の焦点距離なのが感じ取れるはずです。もし40mmの焦点距離のレンズを体験していない方は、是非試して欲しいと思います。ハマれば他の焦点距離が使えなくなります。ハマれば「正しくこれが標準レンズ」と思うはずです。
今回のCosinaのレンズ達、どれも魅力的です。

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