現在のカメラは大別して二種類かと思います。
手軽に写真が撮れるスマートフォン(以前はコンパクトカメラ)と、プロの仕事でも使える高性能なカメラ。
一昔前まで携帯電話のカメラでまともな写真は撮れませんでしたし、フォーサーズ規格もセンサーが小さいという事で蔑まれていました。
一方で、同時期にAPS-Cセンサーが主流でした。NikonもCanonもPentaxもSonyもAPS-Cがいかに良いか、というマーケティング戦略を続けていましたが、フィルム時代からのユーザーがそのサイズを求めていました。当初は一部のメーカーの高価なカメラだったフルサイズ機が、今となっては大手メーカーはフルサイズのセンサーをラインナップに備えているのが一般的です。
そして今の時代の「フルサイズ」が中判センサーカメラになっているような気がします。
とはいえ、センサーの性能が高くなり過ぎて、画質の差別化がしにくくなり、使ってて楽しいカメラにも注目が集まっていると思います。センサーの性能の差が小さくなったので、レトロ感のあるボディや大口径レンズの富士フイルムがいい例だと思います。
また、動画に関してはフルサイズ機で撮られているものが流行った時代もありましたが、もともと動画は静止画よりも小さいフォーマットなので、被写界深度が薄すぎてピント合わせが大変だったりしました。フィルム時代の動画はスーパー35で撮られており、そのサイズは今のAPS-Cと同じレベルです。
大きなセンサーの高画素化の進化と共に、真逆である小さいセンサーの進化も目に止めていいと思います。マイクロフォーサーズの高画質化のみのならず、1インチセンサーの高性能化も無視できません。小さいセンサーの性能が上がり、高性能なレンズが開発できれば、APS-Cやフルサイズや中判では不可能なコンパクトで明るい超高倍率ズームや、動画の質がAPS-C以上のものも可能です。
私なんかはレンズで写真の質を高めたく、周辺光量が多いレンズや、歪曲収差が少ないレンズや、被写界深度が浅い大口径のレンズで効果を狙うのが好きなのですが、それらもコンピューターの処理で代用可能です。iPhoneのボケ処理なんか良い例ですし、これからどんどん良くなると思います。
1インチセンサーに大きな未来を感じます。前述のようにコンパクトで高倍率なズームですが、ボディと共に軽くできます。焦点距離が短いので手ぶれ補正も良く効き、軽いので実際の手ブレも少ないかもしれません。センサーが小さいので、必要な電子情報がより早く処理でき、動画にも特化します。小さいセンサーは発熱も少ないので動画の撮影時間が長く安定します。センサーサイズにしても、動画の世界ではむしろ1インチサイズでも大きいです。
ちなみに、私は浅い被写界深度の写真も好きですが、被写界深度が深い写真も大好きです。多くのものがピントに合っていればより多くの情報があります。その多くの情報が良い写真となるにはそれなりの技術がいるわけですが。被写界深度が深いモノクロ写真でいい写真が撮りたいです。
ライカが最初に発売された当時、フィルムサイズが小さく、フィルムの解像度が低く、ノイズが多いとされていました。それが今の1インチセンサーの評判と似ていると思います。
本気でRX10系列が欲しくなってきました。RX10iv、早く発表されないかな。