iPod Touchが更新されました。誰向けの製品なのでしょうか。

4年振りくらいでしょうか、iPod Touchが更新されました
iPod Touch 2019 A10
AppleのHPを見ると、iPod TouchがグループFaceTimeやAR、音楽などに焦点が当てられていますが、本当にそうなのでしょうか。PR的にはARとかの方がいいのでしょうが、少し真面目に考えてみました。
少し前までは、iPod Touchは子供向けの端末かと思ったりもしたのですが、同時に今では倉庫の管理や医療現場など、iPadが大き過ぎて邪魔な場合に使われるのではないかと思っています。でもその考えも正しいのかわかりません。

例えばですが、iPod自体はAppleのトップページにリンクされていません。Musicページの傘下にある訳ですが、前面に出てこない製品です。売れていなかったら廃止するのと思うので、なぜ更新をする必要がある程に売れているのでしょうか。
『iPhoneがある今、iPodなぞ要らない』と思うのは早計です。何事も注視してこそ本質がわかります。
性能的には4年前からアップグレードしているものの、カメラは1080pですし、プロセッサはiPhone 7のA10チップです。

やっぱり子供向け

やはり考えられるのは子供向けの端末。親がiPhoneを買わずにiPod Touchを子供に与える訳です。このアップグレードで、Apple Arcadeに対応できるのも子供向きだからかもしれません。『セルラー機能のないiPhone』はまさしくiPod Touchなのです。
A10チップ自体は最新のテクノロジーではないので、そこに焦点を当てず、『新しいiPod Touchで何ができるか』がフィーチャーされています。先程のArcadeもそうですが、ARKitの対応、そしてGroup FaceTimeも友達との会話向けのPRです。
Apple Arcadeは月額料金がかかるのですが、その金額はiPhoneとiPadとiPod Touchで共通です。iPod TouchはApple Arcadeの月額料金を得るための端末となります。子供がiPhoneを持たない事を考えるとちょうど良いです。まだApple Arcadeの価格は発表されていませんが、500~980円だとしましょう。親目線でも、無料ゲームのApp内課金と比べたら、月額千円未満ならば喜んで払うでしょう。
子供向けのコンテンツとしてはゲームだけではなく、教育アプリもたくさんあります。長旅に向けて動画を入れてもいいでしょう。最終手段としてはiPhoneにテザリングしてYouTubeを観れますが。
子供のおもちゃに2万円は高いかもしれませんが、教育アプリ・娯楽アプリとして考えたらいいのかもしれません。スクリーン時間も親がコントロールできるので、親からの借り物ではなく自分のデバイスとして遊べながら、親は親でモニタリングもできるので少し安心です。
以前ならば親が使っていたiPhoneからSIMカードを抜き、子供に与えるのがあったかもしれませんが、今はどんどんデバイスの寿命が長くなっていて手放すまでの期間が長くなっています。Apple自体もトレードインを推奨しているのでお下がりは減っていると思います。

エンタープライズ向けでもある

先ほど挙げた倉庫の管理端末使用と、看護系の仕事も考えましたが、エンタープライズ向けの用途はまだまだあると思います。
レストランではiPadもよく見ますが、iPod Touchこそ低価格で十分な性能です。店頭での使用は安価である事で交換も容易になります。
QRコード・バーコード読み取り端末としてはiPhoneは必要なく、高性能のカメラも必要ないです。空港、ホテル、アパレルなどで活躍しそうです。空港とホテルではチェックインで使えます。

スマートホーム向けであるかも

HomeKitがあれば家電が操作できるのですが、iPadや個人のiPhoneでやるよりは、HomeKit専用リモコンとしてiPod Touchを使ってもいいのではないでしょうか。テレビ、Apple TV、電灯、温度計、監視カメラ、ロボット掃除機、などなどがリモコン操作できる訳です。
お父さんのiPhoneで登録すると家にいない時に操作できなくなるので、家に置いておくHomeKit端末として子供や客人などが利用できます。

本懐は音楽プレイヤー

iPod TouchはiOS付きなので何でもできてしまうのですが、iPodはそもそも音楽プレイヤーです。
(私もまだ持っていますが)iPodの中古市場がどんどん高騰していて、新品のiPodはこのiPod Touchしかありません。
AppleはA10チップによって今後のiOSのアップデートに対応できるようにしたのだと思います。ストレージも最大で256GBとたっぷりの音楽が入ります。iPhoneを持っていても、大切な写真や動画を優先するのであれば、音楽再生専用機としてiPod Touchを持つのも悪くないかもしれません。

デベロッパ向け?

ほとんどのデベロッパは少数か個人商店です。アプリをテストするのにMacのエミュレータがあるものの、実際にデバイスで試す方がいいに決まっています。特にARアプリなどシミュレータでは限界のあるアプリであれば尚更です。
iPod Touchがなかったら、そういったデベロッパはiPhoneを使わざるを得ません。安めの中古iPhoneでもiPod Touchよりは高いです。

2019年のiPod Touchとは

今回のiPod Touchは画期的なモデルではありません。エッジギリギリのスクリーンもなけれは、4K動画録画はできません。プロセッサも最新のA12ではありません。とは言え、価格は最新技術を詰め込んだiPhone XRの4分の1です。
でも前述の用途であればそこまでの性能は必要ない事がわかります。Appleが計算ミスをした訳ではなく、如何に安価にiOSデバイスを提供できるか熟慮した上での販売戦略です。
個人的に必要かどうか考えるのも楽しいですが、誰のための製品か考えるのも楽しいものです。

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