レンズの縦倍率と、50mmが好きな理由。

様々なサイズの撮像素子が開発されているため、レンズの横倍率について議論される事が多いような気がします。
『表記の焦点距離の○○倍(英語ではCrop-factor)』
『35mm換算』
『フルサイズの○○mm相当』
どれもあまり好きな表現ではありません。35mm判が定着し過ぎていたからですかね。
デジタルカメラから写真を始めた人が多い中、フィルム時代の換算法なんて余計な情報だと思うんですが。
しかし、レンズを設計するにあたって、横倍率と同じくらい大事な要素が縦倍率です。
縦倍率が関係している、よく聞く言葉では被写界深度ですかね。
風景を広角レンズで撮影するとダイナミックに風景が見えるのは、レンズによって風景が遠くに感じるからです。レンズを通して見える風景は実際の空間を縦に拡張しているように見えるので、縦倍率は小さいのです。画角も広いので、それだけの画角を撮像素子に収めるために横倍率は小さいのです。
対して、望遠レンズで撮影した場合、レンズによって風景は近くに感じる、こちらは空間を圧縮しているんですね。縦倍率は大きく、画角は狭いので横倍率は(比較的)大きいのです。
このような縦倍率の要素があるので、広角レンズと望遠レンズはどちらも大好きです。

From Misc

縦倍率は焦点距離にのみ行われる。そしてそれこそが、私にとって『50mmが50mm』である理由です。
私は50mmのレンズをAPS-C機等で使用しても、50mmに感じているのです。
もちろん、50mmのレンズをPentaxQ等の1/2.3型の小さい撮像素子や、50mmを大判カメラで使った場合は画角の違いは大きく感じると思いますが、ミラーレス機に代表されている撮像素子では『50mmは50mm』なんです。
横倍率の画角が35mm判と異なるとは言え、フォーカスの際のレンズの繰り出し、被写体の縦倍率、様々な要素が50mmで慣れ親しんでいるものなのでやっぱり『50mmは50mm』なんです。
自分が知っている50mmの異なる要素よりも、共通の要素が多いので画角の違いは些細な事なんだと思います。

コメント

  1. カメラ友達 より:

    縦倍率・・・よく分かりません。経験的にはなんとなく分かるんですが。
    例えば、5メートルと10メートル離れた場所に、同じ身長の人が立ってる場面を撮影すると、大きさってどうなるんですか?レンズの焦点距離に依存する?
    人間の目には・・・2:1に見える?
    レンズは50ミリ固定で、センサーが伸縮してズームを行う、みたいなカメラ・・・おもしろい!?

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