昭和を代表する写真家の一人、林忠彦氏の写真展に行きました。なかなか見応えがありました。
展示されていた写真を大別すると、戦後直後の写真、著名人のポートレート、風景写真の3つのグループに別れていました。
戦後の復興写真は何か現代と重なるところがありながらも、その時代の現実を目の当たりにするような感覚で少し怖かったです。
著名人のポートレートはつい見入ってしまうものが多く、特に川端康成のポートレートの前では立ちすくんでしまいました。川端康成ご本人の存在感はもちろん、それを引き出せている写真が凄いと思いました。
風景写真は「東海道」からのもので、写真集の表紙の写真が見応えがあって世界に吸い込まれそうになりました。
写真を見るといつも「この写真はどんなレンズで撮られたのかな」と思うことが多いのですが、私にしては珍しくカメラやレンズのことを全く考えずに写真を見てしまいました。それ程パワーのある写真ばかりでした。
・・・とせっかく写真から力を得た感じだったのに、最後の方で氏の使っていたカメラが展示されていました。もう見ないわけにはいきません。意識せずにはいられません。
戦後の写真はNikonSPとW-Nikkor 3.5cm F1.8でした。やられました。
カラーを撮り始めてからはコンタックスRTSとCarl Zeiss Planar 85mm F1.4でした。鼻血が出ました。
そして、W-Nikkor 3.5cm F1.8とPlanar 85mm F1.4、そしてその2本のレンズと同じ時代のレンズが欲しくなってしまいました。
ああ、完全なる敗北です。
次こそ、写真展でレンズのことは考えないようにしよ。