ARMのMacについて予想してみる。

今夜深夜にAppleのWWDCが行われますが。一部でMacのCPUアーキテクチャがIntelチップから内製のARMチップに代わるという噂がありますね。

PowerPCに移行した時も、Intelに移行した時も記憶にある私としては、大体どのように移行するか想像できますが、考えてみるのも楽しいものです。

AppleがARMチップをポータブルMacとコンシューマ向けデスクトップにのみ使用し、プロ向けデスクトップにはハイエンドのIntelチップを使用するのではないかという合理的な憶測もありますが、それは単にAppleが高性能チップに手を出しているのを見たことがないということに基づくものだと思います。全て乗り換えた方が整合性が取れるんです。
これがどのように展開されるのかを想像するなら、故スティーブ・ジョブズ氏が2005年に発表したPowerPCからIntel移行の発表を見直せば大体の想像がつきます。Appleの社内ARMベースのチップは、Intelのものと比べてワットあたりの性能が格段に優れており、Appleはその優れたワットあたりの性能なしには作れない、将来のMacのためのアイデアを持っており、そのために移行するのです。2005年はPowerPCとIntelにこの文言をそっくり入れ替えれば当時の考え方が再現できるのだから恐ろしいです。2005年移行、ポータブルに限らず、すべてのMacは、ワットあたりの性能の恩恵を受けています。同じように、2020年でもそうなるでしょう。
他にも理由はあります。それは、AppleがIntelのチップを購入するよりも、独自のチップを開発する方か安価なのです。iPhone SE2は既に400ドルレベルのデバイスでありながら、シングルコアCPUの性能では3,000ドルの最上位機種MacBook Proを凌駕しています。すごいの一言です。システムオンチップ設計の一貫したセットが1つあれば、Appleプラットフォームのすべてのソフトウェアは、GPUには同じMetal APIを、機械学習やAIには同じNeural Engine APIをもとに開発できるのです。

エミュレータについて

ARM Macはエミュレーションを介して古いx86ソフトウェアを実行するのでしょうか?Appleは1990年代にMotorola 680×0チップからPowerPCへの移行の際に、また2000年代にはPowerPCからIntelへの移行(Rosetta)の際に、素晴らしいエミュレータを開発しました。IntelからARMへの移行のためのエミュレーションについては、噂はないようです。
移行をスムーズにするためにはx86エミュレーションを可能にして、徐々に移行していく仕組みを作るのがひとつの正解です。逆に、ARM Macにはx86エミュレーションをしなければ、デベロッパーのケツに火をつける事ができ、かつMac App Storeなどで全てのアプリをセキュリティの名目上でコントロールする事ができます。また、90年代、そして2000年代にも、サードパーティ製の重要なソフトウェアが多く、それらは簡単には移植できませんでした。現在はそうではないので、必ずしもエミュレータがないとソフトウェア開発が進まないかというとそうでもないかもしれません。

ブートキャンプについて

Parallels や VMware Fusion のような仮想化ソフトウェアはどうなるのでしょうか?明白な答えは、x86 をエミュレートするか、あるいは撤退するかとの2択です。その場合のパフォーマンスはどうなるのでしょうか?私の理解では、いくらARMチップの性能が良くても、ARMがx86をエミュレートするのは遅いと思います。多くの開発者がワークフローに仮想化ソフトウェアを必要としています。
Boot Campも同様です。Microsoftは過去のSurfaceに対応したARM PC用のWindows 10のバージョンを開発しているので、理論上はBoot CampにてMacをWindowsに起動することを公式にサポートし続けることができます。多くの人がWindowsを仕事に必要としていることと、Windowsはこれからの時代に必要なものなのかを天秤に考えると、どっちとも取れそうです。
また、Boot Campの利点をWindows上のゲーム実行だとしたら、ARM上のWindowsは最良の解決方法てはないとだけ言っておきます。

Appleが大きなARMのCPUへの移行を発表した後、現在のIntelのCPUのMacの売り上げはどうなるのでしょうか?推測としてあまり変化はないと思います。熱心なファンは、ARM発表後にIntelベースのMacを買うのはナンセンスと思うかもしれませんが、
ほとんどの人はIntelとARMのCPUの違いが何なのか、32ビットと64ビットのソフトウェアの違いが何なのかを理解していません。
基本的には、またしても2005年のメッセージと同じだと思います。「現行のハードウェアは素晴らしく、これからも何年もサポートされます。」
今日のMacBookのラインナップは、実際には素晴らしい状態にあります:AirとMacBook Proの両サイズは、この半年間でアップデートされ、どれも良いマシンになっています。待望のMac Proも新しくなったし、Mac Miniもいい感じです。
しかし、iMacのモデルとiMac Proに少し開発の滞りが見えます。実際のところ、iMac Proは、アップデートから900日目を超えています。
iMac Proに関しては、もしかしたらプロレベルの構成が、ただのiMacのまとまりのあるシリーズに統合されてしまうのかもしれません。あるいは、長い間、iMac Proのロードマップは「ARMを待つ」だけだったのかもしれません。ここで大幅なアップデートはあるのでしょうか。

ハードウェアについて

iPad Pro上にARMベースのmacOSを搭載する事はないでしょう。要約すると、RAMが足りないこと、そしてAppleは決して公にしませんが、iPadとMacの混乱を避けるためです。
MacBook Air、または12インチMacBookの再登場の可能性があるかもしれません。最初のARM Macで、AppleはカスタムSoCによって可能になったパワーと効率性で驚きを与えたいと考えているでしょう。
程なくして、全てのMacがARMに移行すると思います。いずれにしても、ARMのMacのために大幅にハードウェアが変わったARM専用スタイルが生み出されることはないと思います。外見や使い勝手は変わらないはずです。

  1. Macbook Airか同等のノートパソコン
  2. Macbook Pro
  3. Mac mini
  4. iMacとiMac Pro
  5. Mac Pro

こんな順番で移行するのではないでしょうか。Mac ProはしばらくXeonチップで動いてもいいのでね。

密かに期待しているARMのPC

しかし、私として期待したいのはARMのMacではありません。既に開発されている、iPadOSベースのノートパソコンです。
考えてみて下さい。今あるiPadはスクリーン内部にバッテリーやCPUなどの電気回路が詰まっているので、タブレットとしては正常ですが、ノートパソコンとしては重心のバランスが悪いです。iPadにキーボードを付けるのではなく、iPadに相当する電気回路類をキーボードに入れて、スクリーンはMacbbok Airなどの従来のノートパソコンみたく薄くしたiOSデバイス。これがあればわざわざARMのMacなぞ作らなくてもソフトウェアやハードウェアの心配なくしてARMのMacを体感できると思うのですが。

はい、全く違う話なのは承知の上です。

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