コシナから、Macro Apo-Lanthar 110mm F2.5が発売されました。
王道のマクロレンズの焦点距離ですが、Eマウント仕様です。
「APO」ということはRGB三原色の補正がなされているものとよく聞きますが、もう一歩踏み込んでみましょう。
通常のレンズは色によって焦点距離が変わる時、ベストフォーカスとなる波長が2つあることが多いです。つまり、例えば486nmがベストピントで、かつ587nmにもう一つベストピントがあるレンズは色補正が良いレンズとされ、Acromatと呼ばれます。
「APO」を冠するレンズは正式には「Apochromat」と呼ばれ、そのベストピントの波長が3つあります。このMacro Apo-Lantharはそのレンズかと思います。
異常分散ガラスが通常のガラスよりも多い断面図です。
実は、その更に上に「Super Apochromat」というのがあり、これは4つの波長でベストピントがあります。
Apo-Lantharですが、その歴史は長く、当初は新種ガラスでレンズ設計がされたものが1954年に発売されました。今のコシナがフォクトレンダー銘を買ってからは、ライカLマウント及び5mm一眼レフ用の望遠レンズ(Fマウント、EFマウント、KAマウント)でApo-Lantharシリーズがいくつかの焦点距離で発売されていました。私が好きだったのは「Apo-Lanthar 90mm F3.5 Close Focus SL II」でした。
その特許はおそらく「特開2002-090622」であり(180mm F4は「特開2003-270529」でしょうか)、マクロでありながら色補正がなされている、コシナのレンズ設計者の蓬田氏をして「最高傑作」とされていたレンズです。
そのレンズの血脈を受け継いだこの度の発売された「Macro Apo-Lanthar 65mm F2」と「Macro Apo-Lanthar 110mm F2.5」です。Sony Aシリーズを愛用している人にはマクロレンズとしてだけではなく、標準レンズとして使えるのではないでしょうか。
この発売を見て、実は「Apo-Lanthar 90mm F3.5 Close Focus SL II」が欲しくなってしまいました。Eマウントカメラは持っていないので、昔のレンズになります♪