GRのスナップフォーカス設定はHyperfocal Distanceにて。

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GRのスナップ機能を好んで使っています。GRは、設定した距離にピント面を固定するスナップ機能があり、その距離を選択できます。[1m][1.5m][2m][2.5m][5m][∞]の距離のひとつを選択できます。この位置にピント面が固定されます。機能の名称としてはフルプレススナップ機能となりますが、AFの半押しをせずに「フルプレス=ぐっと押す」事で上記に設定した距離にピント合わせした状態でシャッターを切ってくれます。
では、どの距離に設定すれば良いか、これは自身の撮影の条件で選ぶべきです。風景を撮る方ならば、とっさに撮らねばならない風景もあるでしょう、それならば[∞]の設定が無難です。とっさに距離を測るのは難しいので近接の[1.5m]ならば、「大体5尺」と考えれば自身の体で測れるかと思います。私は身長が平均よりも低く、大体両手をグーにして伸ばせば拳から拳が5尺なので、これを参考に1.5mを測ります。
私は、GRではHyperfocal distance(日本語ではパンフォーカス距離)、に設定しています。マニュアルフォーカスでも良く使われるhyperfocal distanceですが、この距離の半値から無限の距離までピントが合います。ピントが合っているか合っていないかは最小錯乱円によって決まり、APS-Cセンサーでは0.025mmから0.02mmだそうです。Hyperfocal distanceはレンズの実焦点距離(f)、F/#、最小錯乱円(coc)で計算できます。
Hyperfocal distance = f^2÷[F/#×coc]+f
厳密には上記の式となりますが、cocが小さいため最後のfを足す時に数値は変わりませんね。写真撮影で使用されるレンズではhyperfocal distanceの単位はメートルとなり、焦点距離はミリメートルなので足したところで大差ありません。概算でf^2÷[F/#×coc]でも良いです。
よってGRのhyperfocal distanceをいくつかのF/#で計算すると以下のようになります。GRの実焦点距離は18.3mmです。
F/# = 2.8では5.94m、つまり2.97mからピントが合う
F/# = 3.5では5.94m、つまり2.36mからピントが合う
F/# = 4.0では5.94m、つまり2.10mからピントが合う
(厳密には2.8→2.83、3.5→3.56です)
という訳で、計算までが長くなりましたが、開放でも2.97mなので私はスナップフォーカスの設定は[2.5m]にしています。これでフルプレススナップの最もピントの距離が長いパンフォーカス設定となります。
また、GRは解像度が最も高いのがF/#=4~5.6らしいので、プログラムオートに設定すると積極的にF/#を4もしくは5.6を選んでくれます。この機能と組み合わせるとスナップフォーカスの設定は[2.5m]がベストマッチです。光学の知識が無くとも、簡単な計算で算出できますのでお持ちのカメラで計算してみてはいかがでしょうか。
GRは練度を上げていけば確実に応えてくれます。GRに慣れてしまうとなかなか他のカメラに移行できないもの事実ですが・・・。

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