新しい13インチMacBook Proの最大の特徴はキーボードです。
このモデルに新しいMagic Keyboardのデザインが追加されたことで、Appleの現在のラップトップラインはすべて、より信頼性の高い伝統的なシザースイッチキーボードを使用しています。2019年後半に導入された16インチMacBook Proを革切りに、2016年から2019年の間にすべてのAppleのラップトップの「バタフライ」キーボードがなくなりました。
その完成度は目を見張るものがあります。このキーボードには、あの16インチのMacBook Proや、2020年のMacBook Airと比べて特に目新しいものはありません。同じキーボードで、シザースイッチを備えた65個の物理キーです。物理的なエスケープキーと、古典的な「逆T」の形をした4つの矢印キーがあります。
新しいキーボード以外では、既存の13インチMacBook Proのデザインの微修正です。13インチモデルは、15インチモデルが昨年秋に16インチに生まれ変わったときのような刷新を受けていません。今回のアップデートはキーボードを追加し、基本的なアップグレードと微調整を行っただけです。
2つのモデルが1つに
2016年以降、”13インチMacBook Pro “の名の下に本当に2つの異なるラップトップがありました。私が所有しているThunderbolt 3ポートを2つ搭載したローエンドモデルと、4つのThunderbolt 3ポートを搭載したハイエンドモデルです。もともとローエンドモデルにはTouch Barが搭載されていませんでしたが、Appleは昨年ローエンドモデルにもTouch Barを追加しました。
2つのモデルには大きな違いがあります。ローエンドのMacbook Pro 13インチは1299ドルから始まり、第8世代のインテルプロセッサを搭載しています。ハイエンドモデルは 1799 ドルから始まり、第10世代のインテルプロセッサへの恩恵を受けています。ローエンドモデルのベース価格は、ハイエンドの13インチMacBook Proよりも、999ドルのMacBook Airに近いです。
13インチのMacbook Proのハイエンドモデルは2020年モデルのMacBook Airよりも速く、特にマルチプロセッサの性能においては、MacBook Airの基本構成の2つのプロセッサコアに対して4つのプロセッサコアを搭載しているため、より高速になります。ちなみに、Macbook Airはクアッドコアバージョンもあり、価格はベースの13インチMacBook Proと同じ1299ドルです。
明らかにAppleは、MacBook Airとハイエンドの13インチMacBook Proの間に製品ラインに余地があると感じており、過去4年間、この下位モデルはその目的を果たしてきました。
今となっては13インチのラップトップを選ぶ際には、MacBook AirとローエンドのMacbook Proを検討する必要があります。両者は想像以上に似ていて、Airの方が軽くて安いし、Touch Barを使わないのであれば、Airの方が魅力的でしょうか。
ローエンドモデルについては、キーボードのアップグレード以外の目新しさはありません。Appleはベースとなるストレージを256GBに増やし、価格は据え置きにしました。価格の点は評価すべきでしょう。
Appleの13インチノートパソコンの未来は
キーボードはさておき、Appleの16インチのMacBook Pro程の変化を感じられないアップデートです。この13インチモデルが、より小さなベゼルとアップグレードされたオーディオシステムを搭載した14インチモデルになれば、昨年の16インチProと同等のアップデートと言えたでしょう。
私はTouch Bar搭載のノートパソコンがないので、正確なコメントはできませんが、Touch Barソフトウェアは導入されてからほとんど変わっていないように見えます。ユーザーがごく基本的な選択をしてカスタマイズする方法はまだありませんし、サードパーティがコントロールストリップにアクセスすることもできません。タッチバーを採用したアプリは、豊富なコントロールセットを作成することができますが、そうでないアプリには無用です。
AppleはTouch Barをオープンにする事で、より良いものにすることができると思います。ユーザーが自分のクイックアクションやスクリプトを割り当てられるようにする、など。
元々のローエンドモデルである13インチのMacBook Proは、MacBook Airの後継機として発売される予定でしたが、価格が高かったためか、それを実現することはできませんでした。現に私のように、ラップトップを買うタイミングで最も良いと判断したモデルが当時のTouch Bar無しローエンドのMacbook Pro 13インチモデルでした。現行のMacbook Airがあれば絶対そちらにしていたと思います。AppleはようやくRetina MacBook Airをリリースしましたが、このローエンドのMacBook Proはまだ残っています。多くの面でハイエンドモデルよりも劣っており、その差は広がるばかりです。おそらく、このクラスのラップトップで16インチMacBook Proへの同等のアップグレードが目前に迫っているとすれば、2ポートのMacBook Proの製品終了の時期に近付いているのかもしれません。
しかし、何はともあれ、これらの新しいラップトップの最も重要な機能は、キーボードです。MacBook Proのユーザーの中には、アップグレードには視野に入れているものの、あのバタフライキーボード付きのノートパソコンは買いたくないという人もいます。こういった方の中には、16インチのMacBook Proはサイズ的にも価格的にも、あるいはその両方において、あまりにも大きすぎたという人もいます。私がそんな人です。
今ならば、バタフライキーボードではない、13インチのApple製ノートパソコンが3台あります。1つはMacBook Air、残りの2つは新しい13インチのMacBook Proです。